バンの自転車日記

F(t)麒麟山レーシング所属自称パワー系クライマー笑

新潟県選手権

新潟に帰ってきて3年。

新潟県登録をしてまだ新潟県の代表になったことがない自分はどうしても勝ちたいレースの一つ。

 

12時の一番暑い時間帯にレースが開始される。

隣にイケメンがいる。間違いなく今日ライバルになる選手のうちの一人。そして絶対に自分をマークしているだろう。と言いながら練習仲間なので和気あいあいとしてリラックスする。レースが始まってしまえばお互いに敵同士だ。

 

スタートしてさっそく逃げができているのが確認できた。

麒麟山、フィンズ、ハヤサカが乗っているのは見えるが結構人数が多い。たぶん5~6人。

折り返しでメンバーを確認。

 

メイン集団はハヤサカのキム兄が蓋をし、麒麟山、フィンズイケメンら逃げに送り込んでいるメンバーは当然引かない。

nyoさんがまたローテ乱したり良い働きをするんだこれが…。

しかたなく逃げに送り込んでいないチームに声をかけてローテを回してタイム差を広げすぎず縮め過ぎず調整する。

 

そうこうしているうちに逃げから人が落ちてきた。

ハヤサカの舘岡さん?フィンズkntさんも落ちてきたので一旦後ろに下がる。

落ちてきたというよりは、集団との距離を推し量ってすぐに捕まると判断して下りてきた方が正しいかもしれない。

Kntさんの脚の回り具合からして千切れた感じではない。

 

とりあえず動きがないうちにジェルを取りながら次の動きに備える。

 

逃げはどうやら麒麟山が3人。そのうちりゅーじが脱落して二人は淵田さんとU太氏。

これがまた強力でタイム差が1分を超えてきたりする。

 

6周目の坂で一回かけてみた。

集団が縦に伸びるのは良いけどみんな元気だ。イトーさんから補給取って落ち着いて一旦後ろのバラけかけている集団に潜り込む。

どうせ次の平地で捕まる。

 

しかし今日は暑い。

イトーさんのサングラスが目立つから見つけやすくて補給が取りやすかった。脚に水をかけながら脚を温存できた。感謝しかないです。

 

そして9回目の坂で田崎さんが動いた。

もちろん反応。去年を思い出す。一瞬抜けだすも「チームメイト逃げてるんで」ってローテ回さない。ぐっ…

そして平地で捕まるという去年と同じパターン。

さて、逃げはというと淵田さん脱落しU太氏一人になっていた。

さっきの動きで一気に20秒縮まったので捕まえようと思えば捕まえられるだろう。

 

しかしAve40近くを単独で走るモンスターみたいな、、というかモンスターなので中々差が縮まらない。

 

平坦で群馬グリフィン本田君(実はレース会場でよく話す知り合い)、奈良さんが追走。

ここは動く時ではない。静観する。

 

次の坂は後ろの集団に追走できる力が残っていることを確認しあえて田崎さんのアタックに反応せず。

最小限の力で登り補給も取り、追走の脚が残っている集団の中で下り、平地で追いつく。

さっきより田崎さんらを捕まえた場所が先に伸びたことから次に決まるかもしれない。

とにかく1回会館坂で脚を温存できた意味は大きい。

 

ラスト3回、残りの坂道で全部アタックがかかっても行ける。

いずれにせよ自分が動かなくても次の坂で必ず動きがある。なければ自分で動く。

風を受けないで、なおかつ次の坂で反応できる位置で脚を温存していた。

 

その時だった。

 

左前に怒号とともに落車音。

前走者の陰で音だけしか確認できない。左前から来ることがわかっていても避けられず地面に叩きつけられた。

瞬間、左脚が攣ったように痛い。

自転車の状態はハンドルが大きく曲がって人力では戻らなくなっていた。

 

走行不可能。再スタートできない。

残酷な現実が叩きつけられた。ここでレース終了。俺の練習時間返してくれよ…。

 

一瞬で何十時間も費やしてきた時間が無になった。

新潟の代表をかけたこのレースは特別。

すごく勝ちたかったんだよ。どーしてくれるんだよ本当にもう…。

 

落車する位置にいるのが悪いとか、運も実力のうちという一言で片づけられるほど納得できるもんじゃない。

落者した人を責めるつもりはないし、落車した本人自身もレースが終わってしまったわけだからこの怒りをどこにぶつければ良いかわからない。

 

出し切れずに終わってしまったレース後の虚しさ。

U太氏が素晴らしい勝ち方をしたのに、その場で心から祝福できなかった。申し訳なかった。

集合写真とか写るテンションやメンタルでもなくやり切れない気持ちのまま帰りの車で放心状態だった。

 

ただ、監督をはじめ麒麟山の皆、イトーさんやお知り合いの方々がたくさん励ましてくれてありがたかった。

そしてサガミの山田さん、ハンドル直してくれてありがとうございました。

 

りゅーまぐも後からLINEで心配してくれて、気持ちが軽くなった。

りゅーじなんかは最近お母さんを亡くして自分より辛いだろうに心配かけてくれて何だか申し訳ない。ありがとう。

 

運営の皆さまも暑い中ありがとうございました。

救護のおかげで軽傷で済みそうです。

と言いながら、左脚のすねの内側がだんだん腫れてきて痛みが出てきたのでしばらく練習はお休みです。

 

ただレース後に田崎さんからニセコの練習付き合ってよと言われたのが何となく嬉しかった。すごく気持ちを前向きにしてくれた。

こういう言葉に救われるものです。

痛みが引いたら練習再開だ。

 

さぁ前を向いていきましょう。

競技人生はまだまだ長い。